ド田舎脱出計画20年物語

子育てしてると色々あります。全力で向き合います。ド田舎から大移動するまでを綴ります。

何となくな男

仕事をしつつ

初任者研修を受ける

かなり研修が多い

そして仕事も法令が変わればその都度

出向いて研修を受ける

法律が変わると周知する


法律が変わると皆様へお知らせ

しなければならない

そうすると

電話がかかってくる

言葉が悪いが理解できない人達が勢いいさんで電話口で興奮状態だ

特に大きく何か変わった訳でもないのに大騒ぎする

それにいちいち

受け答えするのも仕事なのだ

仕事とはいえ毎日毎日

同じことを言う

同じことを何度も言うのも仕事

しかし苦痛だったりするわけだ


そんな毎日の中

同期に何となくな男がいた

何となく気になるような

気にならないような

まさしく地元産の地元民丸出しな

何となくな男


前述の通り

どうでもなれな生活なので

これなら父親も納得な

地元民丸出し男

真面目そうな堅実そうな

そして地元の公務員

体裁大好きなうちの両親は

これなら何も言わなさそうだ


仕事をしながら

キャリアを積みながら

生活出来たらもうどうでもいい

そんな事ばかり考えていた

考えないというよりも

考えると嫌になる自分が

嫌いだった

考えることや判断することを

やめてしまった私が

人生を変えることなんて

出来るわけがなかった

海外旅行

私が精神科へ通い苦しんで

いる時に

姉と母親は

旅行へ行った


海外旅行だ

もう驚きもしないし悲しくもない

羨ましくもない

母親いなくても家事はお手のものだ

弁当は10歳の頃から作っている

洗濯は父親の担当だ

アイロンも父だ

母がいなくてもそうそう

日常は滞らないのだ


関西へ嫁いだ姉は羽振りがいい

毎年旦那さんと海外旅行

年末年始にクリスマス、夏休み

海外旅行だ

それが今回母親と行くというわけだ


私が精神を病んでいても

行くんだから

もう言葉が無い

2人に対してだ


2人が海外旅行へ行こうが

大して乱れなかった

父と2人静かに過ごせたのが

良かったらしい


仕事復帰も果たした

心労のかさむ部署ではあったが

慣れからかそうそう疲れも

逃せるようになっていった


生活は

職場と家の往復という単調さを

極めていく

趣味もない

ドライブで延々走るだけ

曲も流さない


私はどんな人なの?

変わってるよなぁ

大丈夫私?

苦しくて悲しくてから

まぁ何とかなるっしょ

どうでもいいわ

な私に変化していった

心の病への偏見

心のバランスを完全に崩した

大好きな彼氏と別れた

仕事で大きなミスをした

車をぶつけた

愛猫が死んだ

部署を異動した

これだけの事が起きれば

バランスを崩す

今はそれが分かる


そして私が親ならば

助言して支える

余計なことは言わないだろう


そんなに休んで給料出なくなったら

家に入れるお金どうするの?

なんてうちの母親は言う

精神科行ってるなんて世間様に知れたら恥ずかしい

なんて言い出す始末

治るわけが無い


そして余計ダメなことに

精神科の医師と相性が悪かった

いくら医師とはいえ人間だ

人と人相対する時

合う合わないは絶対にある

医者も人、合わない人がいて当然なのだ

自信のなさを責め、外見を責め

容姿へのこだわりのなさを責め

毎回の診察室は叱責の嵐だった


ふと


こいつに

私が治せるもんか!!

心で思った

自分の中の何かが

奮い立ったのかもしれない

もう薬もいりません

先生にも会いに来ません

ありがとうございました

お世話になりました

一礼して診察室を出た


冷静だったのが

自分でも

驚いた